椎名千春の災難~人工知能は悪意を生む!?~

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「俺は最初から、総てを含んでいないと言ったぞ」  英士は説明をちゃんと聞いていないお前が悪いと、千春の肩を持つ。翔馬はといえば、曖昧に笑ってどちらにも付かないつもりらしい。 「でもよ。お前がその訳の分からない研究をしているから、嫌がらせしたり事件を解かしたりしたんじゃねえのか」 「さあ。興味あったとは聞いたけど」 「けっ。筆跡や指紋からカエルの死体や刃物類を送り付けたのは安達がやったと解ってんだぞ」 「でも、被害届を出さないから意味がない」 「ちっ」  ああ言えばこう言うと、将平は苦々しげに舌打ちした。結局、あの悪戯に関しても曖昧なままだ。あれだけ執拗な嫌がらせが、本当にただの警告だったのか。真相は闇の中ということになる。 「一つの警告ではあったんだろうね。どれだけ単純化するか。それを見誤ると何もかも違う答えを導き出してしまう。まさに今回の事件のようにね」 「ふん。気障ったらしい」
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