椎名千春の災難~人工知能は悪意を生む!?~

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 人工知能と聞いて人が抱くイメージはそれぞれ異なる。  しかし、よほど正しい知識を持つ研究者や識者そしてマニアックな人以外、イメージには概ね恐れを含んでいるのではないだろうか。  人工知能はいずれ、人類を必要としなくなるのではないか。  殺そうとするのではないか。  シンギュラリティが訪れれば、SFとして描かれていたことが現実になるのではないか。  それは本能的な恐れに似ているのではないだろうか。  ここ最近話題になる論文もまた、その恐れのために随分と曲解されている。『人工知能が人間の心を理解するには何が必要か』というタイトルだけでも、ちょっとした恐怖を覚える人がいるだろう。  かく言う私も恐れを抱く一人だ。  正しい知識を持ち合わせていると思っているが、どうにも危機感は拭えない。どうして人工知能が人間の心を理解する必要があるというのか。機械は機械のまま、永遠に人間とは存在を異にするものであるべきではないのか。そんなことを思ってしまう。
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