17人が本棚に入れています
本棚に追加
マモルの近況
その頃、西島佳子について調べていた護もまた高校の近くで、聞き込みをしていた。
それぞれの事を知らなければ、自殺の動機や共通点など見つかるはずもないのは百も承知だった。
高校生たちが学校からはきだされるようにして出てくる。
ーー今がチャンスだ。
護はこのチャンスを逃すまい、と賢明に駆け寄る。
「すいません。僕こーゆー者ですがーー」
足を止めて、名刺を差し出す。
そこにはジャーナリストである事などが印字されている。
女子高生の1人が足を止める。
「何ですか?」
不思議そうにこちらを見てきた。
「ーーこの子の事を知ってるかな?」
護は一枚の写真を差し出した。
そこには西島佳子がうつっている。
「ーーうーん。見覚えないなぁ?誰ですか?これ」
対応してくれている女子高生が、こちらを見て聞いた。
「彼女は先日、亡くなったんだ。それで僕は事実を調べてるんだ」
「事実って...?? 何か不審なところがあったの?」
護は黙ってうつむく。
「ーー分かった。ありがとう!!」
軽く会釈をして、また別の高校生に話を聞きに行く。
最初のコメントを投稿しよう!