不死鳥

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不死鳥

周りをキョロキョロと確認しながら、護の方に歩み寄ってくる彼女は、声を潜めてこう言った。 「ーー不死鳥」 その後口許に人差し指をあてて、シーってやる様なポーズを取る。 護もまた小声で聞き直した。 「不死鳥って何なの?」 ふぅ。 彼女は深くため息をついて、私の顔を見た。 二人はヒソヒソと話を続ける。 「詳しくはわからないけど、、ケイコの死にきっと何か関わりがあると思う」 「どうしてそう思うの?」 「ケイコから、その名前を聞いた次の日だったんだ。ケイコが自殺したのーーお願い!マモルさん、ちゃんと真実を見つけてね」 「あ、あの君の名前は?」 「紫織...勝又紫織(かつまたしおり)です。何かわかったら、また教えてください」 そう言ってニッコリと微笑むと、彼女は深々と頭を下げて、その場を去っていった。 ーー不死鳥。 紫織さんが護に託した希望。 ジャーナリストとして、必ず、真実を見つける。 その頃、田中宏美の事を探っていた敦はーー。
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