尾行中

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尾行中

尾行中。 青白い顔をしていた彼女は、歩くたび人にぶつかったり、段差もないのに躓いて《つまづいて》見せたり、やはり様子がオカシイーー今のこの彼女なら、自殺をしてもおかしくない。 敦の直感は、基本的には当たらない。 だが、この彼女はもしかしたらーー第4の被害者になるかも知れない、と直感した。 「ーーちょっと、、君に聞きたい事があるんだけど?」 フラフラとしている彼女の横を歩きながら、敦は歩きながらそう切り出した。 ふとこちらを見て、彼女は足を止める。 「何ですか?」 ようやくこちらと目を合わせてくれた彼女がいった。 ポケットから写真を取り出すと、敦は彼女に見せる。 「この子、知らないかな?」 写真をよくよくみてから彼女が言う。 「ーーヒロ...ミ」 「ーー知ってるんだね?」 「はい」 「彼女に何か変わった事なかった?」 「あ、そーいえばよく耳打ちしてた言葉があったなぁーー何だっけ?」 「それはーー?」 彼女は宙を見ながら考えている様な素振りをしてから「うーん。ダメだ!思い出せない」と頭をふった。 「他に変わった様子はなかった?」 「なかったと思う」 「じゃ、この子たちを見た事はある?」 沢口望と西島佳子の顔写真を彼女に見せる。 その一瞬だけ彼女の顔に赤みが差して、勢いよく彼女の手は二枚の写真のうちの一枚を指差して言った。 彼女が指差した写真、そこに映ってるのは、西島佳子だ。 ーーあぁ、この子。 「ーーえ?知ってるの?」 「うん。確か、あれはーー??」
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