勧誘

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「うん。確かあれはーー」 顔色の悪い女子高生は、少し考える様な素振りをしてから、口を開いた。 「去年の今頃だったかな?その頃私に、とあるグループに入らないか、と言う誘いが合って、その話を聞くために田中宏美と待ち合わせをした時、名前は名乗ってなかったけど、宏美と一緒に来てた子に似てる気がする」 「ーーその、とあるグループってどんな活動をしているの?」 敦はそのグループの活動について、聞いてみた。 何が重要な情報になるか、わからないからだ。どんな情報でも重要な情報になりかねないのが、この商売だ。 「何か心理学を追及してる人たちが集まるグループで、宗教っぽく毎月一回集まってるみたい」 「そうなんだ。そのグループの名前ーー聞いてもいいかな?」 青白い顔の女子高生はあたりを見回して、小さな声で耳打ちした。 「不死鳥」 「その組織について、他に君が知ってる事は?」 「あ、そうそう。さっきの写真の子ーー自分の事をカラスって言ってた、と思うけど、あんまり覚えてないから、違ってるかもだけど」 ーー不死鳥の次はカラスか。 「長く引き留めてしまいごめんね。また何か思い出したらこの番号に電話してーー」 敦は携帯番号を書いた名刺を手渡す。 「自殺だったのか?ちゃんと宏美の死の真実を調べてくださいね」 「情報をありがとう!」 敦は青白い顔の子に軽く会釈をして、その場を離れた。 そんな時、敦のケイタイが鳴った。 ーーもしもし。
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