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打ち合わせ
以前の喫茶店に行くと、八時より少し前だった。
初対面の敦くんはタバコを吸わないかも知れない。今のうちにーー。
浩司はタバコに火をつけて、しばらく宙を眺めてはタバコの煙を吐き出す。
この事件、被害者たちの共通点などがまだわからないままだが、本当は単なる自殺なんだろうか??
漠然とそんな事を考えている。
と、その時、カランカランと入り口のドアが開いた。
「おーい!こっちだ!こっち」
俺は精一杯の声を出して彼を呼んだ。
来たのはマモルだった。
「待ったか?」
「ちょうどタバコを1本吸ったところだ。ところで敦くんはタバコは??」
「吸ってるから気にしなくていい!」
「良かった」
そんな会話をしていると、噂の敦くんがきたようだ。
「アツシ、こっちだ」
マモルが呼び掛ける。
「悪い、遅くなったーー」
軽くそう言って、アツシは頭を下げた。
アツシはボーズに近いくらいの短髪で、鼻の上にニキビの様なものが出来ている。
目元が離れていて、顔のバランスがアンバランスだ。
こちらを見てニコヤカに言った。
「遅くなりすいません。マモルのイトコのアツシと言います。始めまして」
そう言って、アツシは手を差し出した。
俺もまた自己紹介をしてから、その手を取った。
「よろしく!」
二人の声がはもる。
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