翌日(浩司)

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翌日(浩司)

朝から缶コーヒーをもって「不死鳥」というキーワードからの聞き込みだ。 高校生がいそうなところーーゲームセンター、マクドナルド。 そんなところしか思いつかない。 このごろは、どんなところで過ごすのだろうか? 近くの道路ぞいのゲームセンターへとむかった。 店のなかをグルグルと見て回る。 しかし、いなかった。 まさか、喫煙所にはいないだろう。 だが、ちょうどタバコが吸いたくなったので、近くの喫煙所へとむかった。 タバコに火をつける。 「ーーあれ、この前の...??」 声がした。 そこには以前、取材に応じてくれた高校生がいた。 「ーーきみはあのときの......あの時はありがとう!!」 「その後はどう?」 みょうに馴れ馴れしい口ぶりだ。 若いからだろう。 ーーそういえば、名前は?? ニ度目にして、初めてカノジョのナマエをきいた。 「中岸直子(なかぎしなおこ)っていいます。あなたはジャーナリストのアキヤマさんですよね?」 「覚えててくれたんだ。ーーところで聞きたいんだけど、最近はどこで遊んでるの?」 「うーん。あんまりトモダチと遊ばないからなぁ??」 「そっか。ところで、不死鳥って言葉をきいたことあるかな??」 「不死鳥?ーーあ、ノゾミがいってたよ」 「どんなふうに??」 高校生がキツエンジョにいることも、タバコを吸っていることも、このさい、どうでもいい。 今は不死鳥のことがしりたい。
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