第二の女子高生

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第二の女子高生

喫茶店の店内は薄暗く、仄かな灯りが店の雰囲気を洒落たモノに感じさせる。 今時珍しいが、店内でタバコも吸える喫茶店だ。 この店は白髪のヒョロリとしたマスターが、一人で運営している様だ。 適当な席に座り、ホットコーヒーを二つ頼んだ。 「それで、お前が見たってゆうのは、、?」 護が口火を切った。 「投身自殺だよ!女子高生の...あんなの見せられたらたまらないよ」 俺は涙腺が熱くなりそうになりながら、何とか涙を堪えるのに必死だった。 「それはいつ起こったんだ?」 「護が調べてくれた彼女のそれとほぼ同じ時刻なんだ。不思議じゃないか?」 「9月9日の午前11時って事かーー同じ頃、二人の人間が連続して、投身自殺か!ーーうーん。ありそうだけど...違和感もあるな」 9月9日ーー午前11時。 1.2分の差はあったかも知れないが、ほぼその時間だったと言う。 ジャーナリスト仲間の柏崎護(かしわざきまもる)が教えてくれた。 「自殺を図ったのは、神奈川県に住む西島佳子、同じく16歳ーー特に変わった様子もなく突然、電車に飛び込んだーー精神を病んでるとかそんな感じもなかったんだ。それなのにーーオカシイ。どうしても納得出来ないんだ」 柏崎護も、俺と同じ気持ちらしい。 「ーー俺、沢口望の自殺の瞬間を見ちまったんだ。お前が言った様に、特におかしな様子もなく、まるで何かに操られているように、澤口望は突然飛び込んだんだ。この事件を俺と一緒に調べないか?」 「ーー事件って、その二人以外にも自殺者がいるのか?」 柏崎護が不思議そうに言った。
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