一巻の終わりのその前に

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「……うん」  こうして――俺達の夜が始まった。 「ぁ……あああ、ア! ァあ!!」  巨大な駿河の陰茎が挿ってくる。押し広げられる感覚に、俺は涙ぐんだ。初めての俺の体を、これでもかというほど丹念に愛撫した後、駿河は根元まで突き入れた。 「辛いか?」 「う、ぁ――息できない……っッ」 「悪い、止められそうにもない」  ローションつきのゴムが、痛みは緩和してくれるのだけれど、引きつるような感覚を俺に齎す。俺はポロポロと快楽由来の涙を零しながら、駿河の体に抱きついた。 「あ、あ、もっと動いて、あ……ああ」 「好きだぞ、秋保」 「ああああ!」  駿河の動きが速くなっていく。俺は喘ぎながら、体を震わせた。駿河は俺の感じる場所ばかり突き上げてくるから、頭が真っ白になったまま戻らない。全身がドロドロに熔けてしまいそうで、汗ばんだ互いの体が密着する度、俺は心地良い温度に浸る。 「ん、ンン!」 「締めすぎだ、力、抜けるか?」 「無理だ、あ、あああああ、ダメ、ダメだ。あ、おかしくなる、なんか、あ、あああ」 「――っく、イけよ。好きなだけ、イっていいから」 「あああああああああ!」
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