一巻の終わりのその前に

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 その後激しく抽挿されて、俺は果てた。絶頂の齎す快楽の漣が、俺の全身を絡め取って離さない。必死で息をしている俺を見下ろしながらも、駿河は動きを止めない。 「あ、あ、待ってくれ、ダメ、まだ――やぁあああ」 「もう待てない。ずっと、お前が欲しかった」  この夜俺達は、散々交わった。  気付くと俺は意識を飛ばしていて、カーテンの向こうから差し込む光は白かった。 「っ……」  酷く喉が渇いていた。それを伝えようとした時、寝台に腰掛けて煙草を吸っていた駿河が、俺の頭を優しく撫でた。 「可愛かったぞ」 「……冷蔵庫から、水取ってきてくれ」 「おう。そうしたら、もう一回な」 「――え」 「推理ごっこまでは、まだ時間はたっぷりある」  狼狽えている俺に、既に用意済みだったペットボトルを渡した後、ニっと駿河は笑ったのだった。  さて――。  陰惨な過去の事件のほかに、駿河への恋心を思い出した俺は、イベントが始まってから、名探偵に腰を支えられる形で洋館の大広間へと向かった。すると駿河が、俺の耳元で囁いた。
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