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「うちの神田は厳しいですよ。」
社長の一色はそうは言ったものの一条隆弘の打診を請け負った。
そして、綾瀬は経理として鏡ホールディングスから出向という形で一条沙耶香は、神田美夜の部下として新会社に配属が決まった。
神田 美夜の部下は数人いるが男女関係なくそれぞれに的確に彼女は仕事を振り分けていく。
「一条さん、この企画書の付箋している場所の再考お願いします。それといくつか先方から企画書に書かれている以外の質問があると思います。先方の担当者の経歴と趣味と傾向を読んで一度考えてみてください。」
「えっ?そんな事あるんですか?」
プロジェクターを使いプレゼンしている最中または後で以外な質問が来ることがある例として聞くと。
「例えば、A社の場合は担当の方は動物好きで愛護団体所属だとします。弊社とライバル会社が同じような条件の場合ですよ。その担当は突然動物愛護についてどう思うかと聞いてきた場合です。個人的な裁量で弊社かライバル会社かという時にその答えが左右する事がありますよ。」
日本の会社の場合の多くは付き合いの深さや接待の内容などが関係してくるし多くの日本企業の場合は、女性は不利になる。しかし外資系の多くはここで人間性を試される事が多かったりするという。
「国際社会の知識は日々耳を傾ける必要がありますし、また知らない事は知らないというタイミングも大事。相手が求めているのは誠実な事が大半です。広く浅く・・知識は盾になります。」
「部長は、ずっとそんな事をやっていたのですか?」
「ええ、最初は失敗もしましたよ。でも・・同じ失敗をしない事で相手も認めてくれるようになりました。私だって普通のOLですからね、努力しました。一条さんも辛い時もあるかも知れないけれど大丈夫。」
失敗してもいい、同じ失敗をしなければいい。
その言葉は沙耶香の心に深く響いた・・恋愛も仕事も失敗してもやり直せばいい同じ事をしなければいい。
神田美夜は、自分の欠点として「私の場合は自分で抱え込んでやってしまうのよ、貴女なら上手く人を動かせるはずよ。」そう言って沙耶香に助言してくれた。
沙耶香の特徴は「上手く人を使える事」だと言った神田の指摘は当たっていた。
「古田さーん。この企画書の英文なんですけれど苦手でお願いできますか?」
沙耶香は自分が出来ない事や苦手な事を上手く周囲に手助けをしてもらい
「鈴木さん、この間の件ありがとうございます。お嬢さんにコレ。」
そのお礼も家族にであったり心を砕く事を忘れない行動は最初のお嬢様の印象を払拭して戦力として仲間として受け入れられていった。
そんな沙耶香を微笑ましく見ていたのは部長の神田美夜だった。
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