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「これは?」
繁華街の一角のビルにはいる金子の写真とそのビルの中の隠しカメラで撮ったみたいな動画を義姉は沙耶香に見せた。
「貴女の彼氏だけど・・キャンブル癖があるようだわ。」
「ギャンブル?」
「ええ、女より達が悪いわね。」
沙耶香は、ショックだったがたかがギャンブルで女遊びでは無いから問題ないと思っていたがそうではないと義姉は言う。
「いい、男の女遊びはある程度の年齢で落ち着く可能性があるし貴女のお兄さんやお父様も外に子供はいないでしょ?それは遊び方を心得てるからよ。ギャンブルは違うわ。」
確かに愛人がいつもいる父親と兄だが子供がいるというのは聞いた事が無い。
「私が貴方のお兄様と結婚した時に条件としてお互いに遊んでも子供は外で作らないという条件があったわ。私だって遊ぶけど一線は越えてないわよ。」
義姉は、確かにホストクラブで遊んだり若い子に支援はしているけれど体の関係だけは無いというのだから初耳だった。
兄も愛人は、いてもその愛人が自分から離れる時は追いかける事も無いと言うから変な夫婦だとは思う。
「沙耶香・・・金子から何を聞いている?」
「元カノに騙された事や利用された話とか?」
義姉は溜息をついて「そんな男は駄目よ。」と言ったのを聞いた沙耶香は反論した。
「なぜ駄目なの?彼は真実を言っているだけだわ。」
「真実だとどう確認したの?」
そう言われて沙耶香は、確認などしていない事に初めて気がついた。
彼の言う事は、全て真実だと思っていたし会えば優しいから疑いを持った事は無かったからだ。
「沙耶香、自分で調べなさい。ちゃんと自分の目で確認しないと駄目よ。」
義姉が言うように自分で調べるべきだとは思うが彼を疑いたくない沙耶香は、この忠告を本気で考え行動に移すまで時間がかかった。
行動に移すきっかけは悪女だと思った神田美夜を遠目でみてから彼の言うような人には見えなかったからだった。
調べれば調べるほど神田美夜は、努力の人で鏡ホールディングスで彼女の悪い噂が広がったのは最近だと綾瀬円佳も言う。
女性社員からは神田美夜を悪く言う人はいない事も気になってきた。
そんな時に噂のデパートの綾瀬から聞いた宇佐美と金子とのやり取りを聞いて初めて沙耶香は本格的に真実を見る決心をしたのだった。
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