保健室の先生

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「センセ、あたしにもコーヒーちょうだい。 お砂糖もミルクもいっぱいの、あまーいヤツね」 「…仕方ないなぁ。 じゃあ、僕のを先にあげるよ」 「やったね! センセー大好き」 先生の持つマグにお砂糖とミルクを追加してもらうと、あたしは喜んで受け取った。 「それ飲んだら、教室に戻るんだよ」 「やだぁ。 センセーと、ここにいるー」 …いつの頃からだったかな。 あたしはだんだんと授業に出ないようになって、学校をこの保健室で過ごす日が増えてきた。 初めは、本当に具合悪くて。 でも最近は授業も意味わかんないし、休み時間に話す友だちもいないし。 その時間をつぶす間が何だかツラくて、わざと具合悪いフリをして保健室に行ったんだ。 あたし女子だもん、生理痛とか適当に言えば、ごまかせるもんね。 だってうちの学校の保健の先生って、男なんだからさ。 でも今は… ちょっぴり冴えない感じだけど、一緒にいると居心地よくて、先生と居たいから保健室に来てるんだ…。
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