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「ふたりで、それぞれの『前』を見て歩いて行く記念日」 「……そうか。そうだね」  ふたりで、決めたことだった。  今までもボクたちはよく話し合ってきたと思っていたけれど、今までのボクたちの歴史は『ただの過去』でしかなかったのだと痛感してしまうくらいに、話し合いを重ねた。  幾重にも重なりあった室内管弦楽は、ちょうど彼女が言ったようなフィナーレを迎えることになった。  発展的解消と言えば聞こえは良いのかもしれない。  幾分かの恰好も付くのだろう。  ――だけど、それは。
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