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わたしのびくびくと痙攣する足先に見て見ぬふりして、何事もなかったかのように入ったままのそれはまたゆっくりと律動を再開する。 ゆらゆらと、ゆっくりと快楽の階段を昇りつめてきて、それでも負けないように必死に耐えた。 涙目になっていることも、気づけばこらえるように噛んでいた唇も、自覚するにはもう十分すぎる痛さと、苦しさだ。 そんなわたしにようやく視線を向けた流川が、意地悪に笑って唇を重ねる。 「……んぅ、ぁ」 「キスは、それなりにうまいじゃない?」 「……っ、うるさ、い」 「清原のここ、そこら辺の女と違ってきつくてちょうどいい」 「くら、べないでっ、!」 「ハハ、たしかに」 それからまた急に激しく突き立てて、意地の悪い緩急に気づけば物足りない顔をしていたのだろうか、私の目尻から溢れた涙を掬って彼はくしゃりと表情を歪める。 ―――なんてのは気のせいだったのだろうか。一瞬で細目で私を見下ろした彼はお構いなしに自分の快楽に身を任せて、わたしの腰を掴んで無理矢理に犯した。 「っあ、…ッるかわ、……も、むり」 「うん、じゃあ、そろそろいいよイっても」 「っ、ッあ……ッ‼」 わたしが先に達してからすぐに、窮屈に締め付けられたせいかどくどくとゴムの中で熱が吐き出された。 快楽に一瞬だけ眉をひそめた彼は、ハと短く息を吐き出して、それから私からゆっくりとそれを抜き出した。 わたしの荒い息遣いだけが残る部屋だった。 行為の後の沈黙は、大切な人だったらとても幸せだと思うけど、やっぱりちっともそう思えなかった。 わたしのなかに残ったのは、なにものにもなれなかった『虚無』だけだ。
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