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地元はどこでだれと出くわすかわからない。 近所を歩けば、昔の同級生に容易く遭遇してしまう場所だ。 それでも、時間は深夜の零時を回ったところだ。 わたしも彼も、まさか会ってしまうなんて思っていなかったのだ。 は、と吐き出された煙はゆらゆらと雲ひとつない空を汚していく。 それにぼうっと視線を追わせれば、その隙を狙ったかのように彼はわたしに背を向けた。 「待って、」 ぴた、と足が止まる。 深夜のコンビニ帰りのすっぴん姿のわたしを見て、それでもわたしだって気づいたのは、やはり彼とわたしが化粧を知らない頃からの知り合いだったことを証明している。 だって、見間違えるはずないのだ。 早足で彼を追い越して、目の前に立ち止まる。 わたしより背の高い彼の表情は、残念ながら隠すことも出来ずに下から丸見えである。 「…ねえ、」 「……」 「…なんで、隠したの?」 『──厄介な女だな』 もう4年も前の話。 中学3年生、隣の席になってしつこく絡んだ私にめんどくさそうな顔をして笑った、彼の口癖。 流川瑞月のこと、わたしはずっと大学で見かけてからずっと気になって。 どうして、きみが変わってしまったのか、その理由をずっとどこかで知りたいって思っていたんだ。
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