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海外からの要人を迎えるため、
社長の父は朝早く出かけた。
そう、僕は一流企業の御曹司なのだ。
僕が幼い頃から、
ずっと
シュッとしてピッとしている父。
人格者で
先見の明があり、
何よりもオーラが凄い。
跡継ぎの僕が、
何の取り柄もないこの僕が、
父のようになれるとは到底思えない。
学校の皆は
「社長ってお金持ちなんでしょ?羨ましい。」
なんて言うけれど、
冗談じゃない。
僕は普通のサラリーマンの息子に生まれたかった。
肩の荷が重いなんてもんじゃない。
未来の重圧に、押しつぶされそうだ。
何もかも放って逃げだしたら
どんなに楽だろう。
等身大で生きていきたいだけなのに。
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