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焦ったさに身を捩っても、擦り付ける手はなかなか止まない。
何度もこの行為を受け入れてきたなんて、過去の自分の精神に驚いている。
ただ羞恥に悶えながら入口への愛撫を受け入れていると、しばらくして“いれるよ”、という言葉が聞こえ、それを合図に緩んだその場所からつぷりと彼の熱欲が侵入ってきた。
胸への愛撫をされた頃からずっと彼の侵入を望んでいたそこは、少しも拒むことなく、むしろ呑み込むようにそれを受け入れる。
「ねえ志真、すぐに飲み込んだね。もしかして、僕がいない間自分でした?それとも他の誰かと…。」
ナカへの刺激に追い討ちをかけるように色を帯びた声で囁かれ、身体が跳ねた。
しかしすぐに正気を取り戻し、反論する。
「して、なっ… 」
確かにそうは思えないほどあっさりと受け入れてしまったが、もうずっと指の侵入すら許してこなかった。
この2年間他人に触れられたことはおろか、自慰行為の際に使ったこともない。
「…ああ、泣かないで。指でした時はキツかったから、わかっているよ。…ただ、ここにいたことがあるのは僕だけだって、君の口から聞きたくて。
ねえ志真、愛してる。この世の何よりも大切に思っているよ。」
必死の主張を受けた彼は、すぐに意地悪な言葉を否定し、臆病な懇願と共に俺の頭を撫でてくれた。
優しい言葉に胸が熱くなる。
官能的な熱とは違う、もっと感情的な、彼への愛でできた熱さ。
それが性的なものと合わさって、脳がぐちゃぐちゃに蕩けて。
「かなたさん、だけっ…。…だけ、…んっ、ですっ!!…ぁっ… 」
喘ぎ声の隙間から、彼を喜ばせるための言葉を必死に紡いだ。
とたん、中心を満たしている彼の熱がさらに大きさを増す。
「…っ、愛しくてっ…、敵わないっ…、ねっ 」
何かを堪えるような声と共に、彼の額に浮かんだ汗が落ちてきて、俺の頬を濡らした。
緩やかに律動が加速していく。
浅い部分の弱い場所を雁首で抉ったり、中を押し付けるように擦ったり。
けれどその動きは決して彼の独りよがりにならない。
俺の中を傷つけずに快楽だけを植え付けてくれるその優しさに、大切にされているのだと痛いほど理解させられて、自分の奥がぎゅっと収縮するのがわかった。
きっと、久しぶりだから優しくしてくれているのだろう。
…ねえ奏多さん、あなたが好き。ただ、本当に、愛しくてたまらないんだ…。
生理的な涙が瞳から溢れ、下腹部に蓄積する熱を逃すように何度も吐息で喘ぐ。
達する瞬間は、指をしっかりと絡ませながら両手を強く繋いで、互いの熱を分かち合うような深い口付けと共に緩やかに訪れた。
2人とも、同時に。
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