パスワードの真意

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パスワードの真意

「どうされました?」 やってきたのは俺の天使! (bu子、でかした! お前、俺にチャンスをくれたってわけか?)  俺は端末の中で固まっているbu子に向けて、こっそりと親指を立てた。 「えっ? ええっ!?」 フリーズした端末を見て、天使が目を丸くしている。 「お客様、一体何をされたんですか?」 驚いた顔もかわいいなぁとか見とれていたら、天使が眉を釣り上げた 「端末内が完全に水没しております。通常の使用では起こり得ないので、これは弁償と言う形になります」 「水没!? 嘘でしょ?」 bu子の奴め、本体内にぶちまけやがった! 俺の中に再び怒りがこみ上げる。 「マイナポイント登録は最初からやり直していただくことになりますが、このようなことがあっては端末をお貸しできないので、こちらで代行させていただきます。当店の機種弁償代金と登録代行手数料合わせて24000円となります」  俺の天使にぶつけるわけにはいかないこの理不尽な怒りを、俺はさっきのパスワードに乗せて解き放った。 「fZKN79SG(フッざけんなクソが)っ!!」
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