ショップのbu子は辛口

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ショップのbu子は辛口

「えっ? 店舗に来たら店の人が一緒にやってくれるんじゃないの?」  思わず俺が声に出すと、端末の中でbu子がボソリと言った。 「店に来ても一人」 「『咳をしても一人』みたいに言うなよ。結核の俳人、尾崎放哉じゃねぇんだよ!」  bu子は気を取り直したように明るい声を出した。 「来てくれてありがとう! マイナポイントの登録をお手伝いするよ!」 「ここに来てまたお前とやり直すのかよ。さっきの女の子に手伝って欲しかったのに」 「アプリから簡単に申し込めるよ! すぐに他人をあてにするその態度は良くないよ!」 「な、なんだよ、わかったよ、やりゃいいんだろ?」 俺は渋々bu子と向かい合って座る。  「マイナンバーカードを準備してね!」 「結局ここからかよ……」 俺はため息を付きながら、財布からマイナンバーカードを取り出した。
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