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ここに来る前に摘んだものなら既に萎れて、水も出てこないはず。水が出ているのはさっき摘んだばかりのものだという証拠だ。それを見たリーファはこの先が安全だとわかってくれたようだ。恐る恐るゲートへと足を踏み入れ、そのまま飛び込んでくれた。僕もあとに続き、最後に片腕でココミチを掴んで引っ張ればゲートもきれいさっぱり無くなった。
「わ、本当に出口」
「さて、これで依頼達成です。これをお返しする前に」
「?」
リーファの杖を足元に置いて、彼女に手をかざす。顔の強張る彼女に対して呪文を唱えた。
「彼の者の記憶からココミチの姿を消せ」
パンッと頭を大きく後ろにのけ反らせた彼女はその場に倒れこんだ。意識を取り戻す前にココミチを鞄の中に突っ込む。
ギルドにはもちろん、他の人間にも僕がココミチを使ってレスキューしていることは知られてはならない。この世界で魔物は悪いもので、魔物と関わる人間は『魔物に魅了された』として牢に入れられ、最悪死罪になる。
だから、僕は救助者に忘却魔法をかける。もちろん、軽度なものだからリーファもすぐに目を覚まして立ち上がった。
「あ、れ、私」
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