幼なじみと秋の空

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『すごいな。でも陽愛なら大丈夫だよ。アメリカにはおじさんとおばさんもいるし。お前、英語めっちゃ好きだもんな』 『好きなだけじゃあ…ね。佑都みたいに本物の秀才なら別だけど。それにうちの親はアテにしてないよ。あの2人は自由人だから』 笑いながら言った。 あの2人… それはアメリカで暮らす私の両親。 よく言えば自由人、悪く言えば放任主義…の親。 お父さんが昔から単身赴任で海外の仕事をしてて、寂しい限界が来たからって、数年前にお母さんがアメリカまで追いかけていって… それからは、4歳上のお姉ちゃんと私の2人だけで暮らしてきた。 お金はたくさん送ってくれたから何の不自由もなかったけど、中学生だった私はいろいろ不安もあった。 でも、いつもお姉ちゃんや周りのみんなに助けられて… 近くに住んでたお母さんの妹も、たまに来て母親替わりもしてくれ、それは本当に有難かったんだ。 私とお姉ちゃんがどうしても海外に行きたくなかったから仕方ないんだけど、だけどやっぱり… 家族4人、みんなで笑いながら暮らしたかったな…って、ちょっと思う。
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