仮面

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これ、これって… 「浅井さん、あの…」 「俺のじゃ物足りなそうだなって」 浅井さんはそう言うと私の手を、股間へと誘導した。 私はその先が触れる度に、肉体を駆け抜けるビリビリとした刺激に自分の感覚が支配されそうになりながらも、涙目で訴えた。 「こんなの、私無理です」 「どうして?さっきまで指入れてみたけど、大した反応がなくてこれの方がいいのかなって?」 浅井さんはやってることとは裏腹に、軽やかに答えてきた。 あ、ダメだ。繰り返される電流の刺激で、全身にある性感帯が解放されるようなむず痒さを覚えてしまう。 そんな中、私は呼吸を浅くして身体の感覚を麻痺させようとしていた。なのに、浅井さんは私の閉じかけた膝をこじ開けると、指で陰唇を撫でながら、溢れ出て来る愛液に塗れたその物体を、つまみあげて小さな突起に押し当てた。 「ふっ…あっ、あっ」 「可愛いよ、若菜」 浅井さんも、エリートとは言え恋人相手には生々しい一面持ってたんだな。 相変わらず身体の自由は何一つ効かないまま、我慢ならなくなった様子の浅井さんに再び唇を塞がれた。 上も下もありえないくらい、いやらしいことされてる。そう思うのに、たまに焦らしたり、愛撫されたりを繰り返すうちに、数分後には自分で求めるようになってしまった。 「浅井さん」 「名前」 「宏光…さん」 「何?」 「これ外して?」 「まだ、ダメ」 そう言った宏光さんはバイブレーターのレベルをMAXにした。そして、私の身体に自身の身体を押さえつけるようにして、悶絶する度に喘ぐ私を楽しんでいた。 10分は経ってたと思う。もう限界に近かった。今日が初めてなのに、こんな、今まで味わったこともないような官能的でサディスティックな刺激をたっぷり捩じ込まれるなんて。バイブレーターを突っ込まれたり、指の腹でクリをいじられ、何度もイカされるなんて、いくらなんでも考えてなかった。   本当は頼みたくないなんてないはずなのに、口からは身体が求めるままの言葉が出た。 「限界です。もう、い、挿れて」
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