告白

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「俺本当は、初音と結婚する時に浅井と縁を切ろうかと思ってたんですよ」 「そうなんですか?」 「はい、実は浅井財閥には跡取りがいないんです」 浅井さんはそう言って脱力した様子でため息をついた。 「俺はたまたまあの家の養子になっただけなのに、気付いたら後継者問題の筆頭にされてて、どんどん自分を見失っていく気がしてました」 「宏光さん…」 「あまり、話すことでもない気はするんですけど、俺碧音以外にもう一人子供が…」 「えっ?」 「いや、あの産まれてすぐ亡くなってしまったというか、亡くなってたというか…」 「それって相手はもしかして…凛さんですか?」 宏光さんは一度此方を確認した後、唇を噛み締めると、私の追求から逃れるように視線を宙に泳がせた。 何故だろう。 こういうときって大体悪い予感は当たる。 男性の気まずそうな表情から、相手を観察して事態を感知しまう女性って結構多いと思う。 でも、素直というべきか、単純というべきか男性は顔に出やすいのだ。 「はめられたんですよ?」 私は流石に、眉を顰めると彼を睨みつけた。 はめられてたって、なんだって愉んだのは事実だ 考えたくなかっただけで、2人がそういう関係なんだと改めて突きつけられた。
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