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「ひとまず、現在の宏光の交際相手は若菜さんということで話は進めようかと思う」
長次郎さんは納得した様子でそう言うと、私達に笑顔を向けた。
だが、私と宏光さんがホッとしたのも束の間、長次郎さんは無情にもこんなことを言い張った。
「ただし、何もそれは凛に後継者を産む権利がないことではない。
だが、二人が恋愛関係ないことは認めた上で、後継者、つまりは子作りに関する権利を凛にも与えるという条件付きでなら交際を認めてもいいというだけだ」
「お父上、納得行きません」
宏光さんは直ぐ反論した。
そして、凛さんも続いた。
「私もです。それではまるで妾腹の子として扱われているようで、不快極まりません!!」
「凛、貴方は本妻との子供ではない。それは事実だ。それに宏光も元は浅井の人間ではない。そう考えれば、2人が仲良くない以上はどうやってもお前達の間に産まれてくる子は浅井にとって直系ではない。つまり、若菜さんと宏光の子であれ、凛と宏光の子であれ、与えられる権利は同じだと言うことを理解しておいて欲しい
つまり、正式にはそれは浅井の後継者というより宏光の後継者として浅井の権利を引き継ぐという形になる」
私は生唾をゴクリと飲み込んだ。
宏光さんが凛さんと子作りする権利…
それが私と宏光さんが交際を許される条件…
いや、だとしたら、そんな交際に私は耐えられるだろうか?
それに凛さんだって…
「お父様、私をこれ以上浅井から遠ざけるのはやめていただきたい。私が何をしたというのです。このうちの三女とはいえ、あなたの子供である以上私には十分に家を継ぐ権利はあるはずです。
元が養子の宏光が、浅井を継ぐというのは理にかなっていませんわ。
それにお兄様やお姉様達が納得するとは思いませんよ」
「お父上、私もこの提案は不服にございます。勿論、若菜さんと私の交際を認めていただけたのは感謝しております。ですが、
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