初デート

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初デート

あれから3日。 週末までには返事をと思いつつ、結局返事を返せないままでいた。 あの日、1人になって狭い部屋に戻って気づいたのは、私はやっぱり平々凡々な庶民でしかなかったということだった。 帰ってから、なんとなくスマホで彼らの名前を検索してみると… とんでもなく凄い人達だと改めて気付いた。 浅井さんは、ベンチャー起業家として若き新鋭の名を欲しいままにしているような人だった。 浅井宏光は29歳の時に設立資金1500万でまず人材開発や育成を行う新事業を設立した。融資したのは浅井グループの会長始め、ベンチャーキャピタルなどで、大手町にある小さな事務所から始まったらしい。 創業当時従業員は5人で、ネット媒体が主流だった。彼がこのビジネスを作った目的。それは調べれば直ぐに出てきた。 10年で起業家100人の育成 彼はこれをモットーにそれまでの人材派遣ではなく、派遣や斡旋を受ける人材をランク付けし、投資対象として派遣社員を評価するシステムを開発。派遣先や勤務態度の評価でもってビジネスのノウハウ、スキル研鑽への投資を積極的に行うことを約束。10年後に起業、もしくは正社員として転職することをモットーに創業したという。尚、ランク圏外の場合、登録は削除されるため、10年で何か掴めた社員だけが生き残る形となる。 それまでの派遣会社は、派遣社員を単なる消費財として扱うことが多かったが、浅井宏光はそのシステムを再構築し直すべく、投資家として自社で派遣又は契約社員を育成、開発することを重視したという。 投資型派遣会社は、その当時は珍しい試みで新たな起業家としてその名前は経済界や既存の人材会社にも衝撃を与えた。 彼はそれから5年でマザーズに株式を上場、現在は資本金3億8000万の企業へと成長させている。   私が登録してた派遣会社とはきっと全く違う。彼は人材派遣会社の社長ではあるけれど、社員に投資する社長だったなんて…想像するだけで涙が出た。 どうしてこんな起業を思いついたのか? あるインタビューの記事で浅井宏光は社長としてこう答えていた。
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