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私は中野さんの言うことにも一理ある気はした。
でも、二人が決着を着けるにしても
凛さんが不安定な状態なら…
「中野さん、凛さん宏光さんに危害加えるようなことしないですよね?」
中野さんは目線を逸らせると、何も知らないフリをしようとしていた。
「やっぱり、私行きます。もし、宏光さんに何かあったら…」
「行ってどうするの?あいつ本当何するか分からないよ」
「なら、尚更止めに行かないと2人が再会してしまったら…」
私はそう口にしながら宏光さんが凛さんと対峙してしまう最悪なパターンを頭に思い描いてしまった。
「待てっ!お前が行くなら俺も行く。でも、走ったり、無茶なことはするなよ」
「中野さん、今日どうしたんですか?」
「うるせーな!なんかあったら兄貴に俺が切れられんだろ…だから」
私はこんな非常事態だというのに、ちょっとだけ気が強くいられるのは、運が良いのかもしれない。
そう思っていた矢先だった。
「あんた!!その子から離れて…」
私の背後から聞き馴染みはあるものの、不安に怯えた声が響いて来た。
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