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翌週月曜日。
週末は色々考えてしまってよく眠れなかった。
私としたことが、何を思ったのか、ネットにある浅井さんのインタビュー動画や記事を読み耽ってしまっていた。
浅井宏光という人物は、名前で検索をかけるだけで1万件以上のニュースが上がって来る。
でも、どの動画を見ても、記事を読んでも彼の実像を掴めそうにはなかった。私の前にいきなり現れたときは、かなり営業スマイルだったのだろう。面接の時も彼は仮面を被っていたように思う。
でも、こないだは違った。
妙な切迫感があった。
人間にはA面とB面とあるとしたら、こないだ家に来た時は明らかなB面の浅井宏光だったんじゃないだろうか?
あくまでビジネスのため…
彼はそう言い張るけど、どうやらそれ以外にも何かありそうな雰囲気だった。
私はあれから学生時代のアルバムや思い出にまつわる品を持ってる限りは探ってみたけど、残念ながら、彼の名前や姿はそこにはなかった。
やっぱり過去に出逢った人の中にはいない。
学生時代じゃないとすると、一体あの2次会以外にどこで出逢ったんだろう?
そんなことを考えながら、面接予定の企業から送られて来た資料に目を通していた。
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