初デート

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いよいよ、面接だった。他の応募者と一緒にするのかと思っていたが、予想に反して個人面接だった。 緊張感は、それほどはなかった。担当者も2人で、1人は社長と、もう1人はまだ若そうな青年だった。ただ、見た目的には髭とパーマで風貌からしてディレクターとかそんな感じに見えた。 「此方の志望動機として、新しいことや挑戦出来る社風に好感が持てたと書いてありますが、前職は事務で間違いないですか?」 「はい。大手や中小企業で事務を長くやっていました。6年近くは事務的な業務について働いてました」 「うち、事務というか編集アシスタントなんだけど、雑務兼任の業務だし、割と身体張った業務多いけどそれは大丈夫ですか?たまに撮影時間伸びたりすると、残業というか現場から帰れないみたいなことはあるにはある」 「はい」 「基本土日の一日と平日休みは一日で週休は2日だけど、たまにイレギュラーなイベントや作業の遅延で休日出勤はあって、そういうこともあるので、今までの勤務体系とはちょっと変わるかもね」 「はい。覚悟はしてます」 今は労働基準が厳しいからだろうか?派遣とはいえ、休日出勤やサービス残業に厳しいところ増えたように思う。 でも、まだそう言う素晴らしい労働環境で働けて暮らせてる人は案外この国には少ない気もする。 それに立ち上げて3年程度の会社では、休みなく働いてる人がいて当たり前のようにも思われた。 でも、事務的な作業ばかりで、安定はしてるがとくに変わり映えのない毎日を続けるか、仕事にやりがいを見出してハードながらも充実した日々を送るか? 結局働き方改革と言ってもどちらかなのだと思う。
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