初デート

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口にしてみて気づくのは、やっぱり気になって仕方ないということだ。 「そんな自分に対してあなた自身はどう思いますか?」 私が考える間もなく、次の質問が飛んできた。 「このままでは良くないだろうなとは思っています」 私は正直に答えた。 社長はそんな私の表情をじっと見ていた。 数秒真顔で此方を凝視した後、パッと表情を切り替えると、彼は明るめのトーンで話し始めた。 「分かりました。お答えいただきありがとうございました。結果は3〜5日程度でご連絡させていただきます。採用する際はお電話のご連絡となりますが、都合の悪い時間帯はありますか?」 「いいえ。大丈夫です」 「では、連絡をお待ち下さい。今日は本当にありがとうございました。気をつけてお帰り下さい」 「ありがとうございました」 彼らは頭を下げると、デスクを離れた。 私も立ち上がって、深々と頭を下げた。 1人になった帰り道、手応えを感じなかったわけではなかったが、最後の質問で色々バランスが崩れた。 なんだかそっちに気を取られてしまった。 浅井さん…どうして彼はこうも胸をざわつかせるんだろう
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