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プロローグ
肌寒くなってきた時期。喉がつっかえて思うように声が出ない。
「柳沢さん?大丈夫?」
担任の先生である山本先生に相談をしていた。
「俺…男の子になりたいんです。」
だから男の子のように振舞って欲しいという言葉は怖くて言えなかった。
「柳沢さん、女の子はね男の子になれないのよ。」
先生は困った顔で俺に言った。
雨の音がやけにうるさく聞こえる。
「…そうですよね、俺の勘違いです」
そう、と安心したように呟く先生。先生の視線の先に俺は居なかった。
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