詩其の六  桜花の季節

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詩其の六  桜花の季節

サクラサク 坂道 下るよ 我先に 兵学校 卒業 オメデトウ 同期の 笑顔 ハチキレル 然したることは 無いだろうさ 先のことは 分からぬが ****** 最近 戦況  やや曇り 詳細 知らぬが 召集だ 上官の伝令 鬼気迫る 爆撃命令  突き刺さる ── ああ いつかは こんな日が 故郷に 手紙 幾通か *** 明朝 出撃 其の夜に 優しき 女の 肌に触れ 語り 伝える 夜明けまで ****** 敵艦 見えぬ 雲の上 早朝 見送り かのおんな 感謝の気持ち 行ってまいります 然りとて 心に巡るのは 子供の頃の 思い出よ *** 雲の切れ間より 海上に航跡 敵艦隊 確認セリ 操縦捍は 前のめり 一気に倒し 急降下 海面すれすれ 飛ぶよ 飛び魚のごと だが 一斉 砲火 花火のようだ キリモミの後 海中に没す 胸の鮮血 見る間も無く・・・ サヨウナラ 父母妹・・ ****** 登り坂の途中 散りゆくサクラの 夕暮れに かのおんなの 涙 頬を伝う 見送る辛さ 言えぬまま
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