一 ハンドトゥハンド

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 高い位置からじっとみつめてくる佑に、責められているような気分になりながら一華は頭の中で予定を確認する。 「華の大学生か。とりあえず外せない授業の時は早めに連絡くれ。貸切りにする関係もあるからな」  スマホを掲げる桐生と連絡先を交換するため、一華はロッカーに戻ろうとする。 「だからなんであなたが仕切るんですか」 「俺、コーチ」 「……じゃあ、僕にも連絡先を教えてください」  後ろで佑と桐生が揉めているのを、前途多難だなと他人事のように感じながら一華は息を吐く。  結局、連絡先は最も連携が取りやすい、無料通話アプリ内に三人のグループを作ることで決着をみせた。
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