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ビールマンスピンとは、両手または片手でフリーレッグのブレードを持ち、背中から頭にかけて持ち上げた形で行うスピンのこと。バレエ歴も長く、柔軟に自信のある一華は確かにこれを得意としている。
「もちろんできますけど」
どうしてだと訝しげに尋ねれば、答えよりも先にやってみろと指示が出る。
「リフトもやってみようかと思ってさ。とりあえず、一華はその姿勢を保って、佑はウエスト……だけじゃまだ危ないから足も持って上げてみるか」
桐生に言われたとおり、一華は首から肩、腕から指先までの力みをとって上体をすっと引き上げ、骨盤を床と平行に保ったまま足を持ち上げる。意識するのは美しい背中のラインで、軸がぶれないようにまっすぐに立つ。
薄い練習着のウエストに佑の手が添えられると、感触がはっきりと伝わってきて少し気恥しい。けれど、そんなことは言っていられないまま、軸足も掴まれて体が床から離れていく。
「ははっ、ふふっ」
「なんだ、怖くなっておかしくなったか?」
一華が笑うので体は小刻みに揺れるものの、大崩れすることなくバランスを保っている。
「怖くないです。でも、佑くんはどう?」
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