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「高校生だからって、子ども扱いはやめてください」
「挨拶しに来た俺を無視するなよな」
むっとした様子で割り込んでくる高校生二人が可愛くて、一華は思わず笑みを溢しそうになるが、それは益々機嫌を損ねることになるだろうと予想してなんとか真面目な顔を取り繕う。
「ごめん、ごめん。佑くん、これが私の弟の一希。アイスホッケーの選手をやってるの」
「どーも」
勇んで紹介しろと出てきた割に、一希の挨拶は適当なものだった。でも、同年代の男の子同士はこんなものかもしれないとも一華は納得する。
「今ね、筋トレを頑張ってるの」
一華が腕を曲げて力こぶをつくってみせれば、一希も同じように鍛えた腕を披露する。
「それじゃあ、まだまだ自分の体重を支えるのは難しいんじゃない」
「まだ始めたばっかりだもん。これから、これから。あっ、でも佑くんの筋肉はすごいんだよ。見た目はこんなに細いけど、背中とか肩とか、あと腹筋!」
「はっ? 腹筋、見たの?」
一希が目を剥いて一華に詰め寄るが、そんなことはもろともせずに話は続く。
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