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アリーチェは確信した。
「お母さま、それは彼よ!セイラーよ!いやだわ、お母さままで昔セイラーに会っていたなんて!」
セイラーの母も、そのことにはとても驚いた。
「だから思い出したのね。あのときの男の子がこんなに立派に‥それにアリーチェと出会うなんて。なんて不思議なのかしら。」
その話を聞いてセイラーは思わず声を出した。
「アリーチェのお父さん、お母さん、本日ははるばるお越しいただきありがとうございます。少し、私の話を聞いていただけますか。」
そう言うとセイラーは少し前に歩を進めた。
顔には緊張感が漂っている。
「私は‥目が不自由です。ひとりでは歩くこともままなりません。そんな私には、歌しかありません。ありませんが、この歌のお陰でロメロと出会い、アリーチェと出会い、そして今日ご両親と出会うことが出来ました。私はこれからも歌を歌うことしか出来ませんが、出来ませんが‥」
アリーチェは涙が溢れてくるのを抑えきれなかった。
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