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セイラーと結婚と
アリーチェの両親は、その場で二人の結婚を承諾してくれた。
さらにその足でセイラーの自宅へ向かい、セイラーの母に会うことになった。
「私はこの隣村に住んでいたことがあるんです。」
アリーチェの母は話し始めた。
「私の母はアリーチェがまだ幼い頃に亡くなりました。」
そしてセイラーの歌に救われたことを話した。
セイラーの母は、この頃には長年の労苦で足腰が弱り、畑仕事もやめて、あまり遠出も出来なくなっていた。
「この子の目が見えないことで私も自分を責めました。ましてや父親もいなくなってしまった。この子同様に、私にも歌しかなかったのです。」
セイラーの母はそう話した。
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