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オペラ歌手 セイラー
結婚後、しばらくしてアリーチェは赤ちゃんを身籠った。
産まれてくるまでセイラーは不安で仕方なかったが、アリーチェには元気で生まれてくる自信があった。
そしてアリーチェの思う通り、元気な男の子が産まれた。
男の子はセイラーJr.と名付けられた。
セイラーの心配した目の不自由さもなく、いたって健康だった。
そして数年が経ち、セイラーの家の隣には、新しく練習場が建てられた。
合唱団は、毎年子どもたちが入れ替わりながら、変わることなく続いていた。
その頃、セイラーの母が亡くなった。
晩年はベッドに横たわりながら、練習場から漏れ聞こえる子どもたちやセイラーの歌を聞いていた。
亡くなるときも、セイラーの歌が流れていた。
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