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セイラーは客席の様子はわからなかったが、楽団の音が鳴り、セイラーの声が響きわたると客席が静かになるのを感じていた。
実際に観客からは、セイラーの声で全てが始まるように感じられた。
通常ザワザワとするはずの転換の場面も、セイラーの歌が流れると客席は静かになるのだった。
歌に乗せられるようにロメロの躍りも人々の目を虜にした。
やがて、セイラーの歌とロメロの躍りはサーカスの売りのひとつとなっていった。
観客の中には、セイラーの歌とロメロの躍りを目当てに訪れる人もいた。
そしてサーカス団員として過ごし数年が経ち、セイラーは15歳となった。
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