第一章 友情

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      8  あいつを見かけた。  偶然、お姉ちゃんと一緒にいるときだった。  お姉ちゃんが呟いた。 「・・・・・・和也くん・・・・・・」  お姉ちゃんの視線の先には、あいつと並んで歩く、若い男の姿がある。 「和也くんって、誰?」  わたしが訊いても、お姉ちゃんは答えてくれなかった。  あいつと和也くんは、わたしたちの家のほうから、歩いてきた。  きっと、うちを訪ねてきたに違いない。  二人で出かけていたのは、幸運だった。  わたしは、お姉ちゃんと一緒に、物陰に隠れた。  あいつに見つかったら、絶対、ろくなことにならない。  あいつなんか、いなくなればいい!  消えてしまえばいいんだ!  ひどい、ひどすぎる。  彼にまで、手を出すなんて・・・・・・  二人は、どこかへ行ってしまった。  わたしとお姉ちゃんは、並んで歩きだした。  二人の家を目指し、歩き出す。  もう、日が暮れかけていた。  突然、姉が言った。 「先、帰ってて。寄るところがあるから」  わたしは、お姉ちゃんに、違和感を覚えた。  無表情だった。  奇妙で、不気味で・・・・・・  いつもと、目の色が違う。
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