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北見信道の前には、一通の便箋がある。そこには、手書きの文字で、こう、書かれている。
『ツギハ、オマエノバンダ』
どうするべきだろう。
警察に助けを求める? いや、そんなことはできない。
北見は、コーヒーカップに手を伸ばす。
《いずれ、彼の身元は判明する。そうすれば、警察は、彼の関わりのあった、俺のところに来るはずだ》
北見は、コーヒーをすする。
《そのとき、全てを打ち明ければいい》
北見は、コーヒーカップを置いた。自ら動くべきことではない。しばらくは、自宅にこもっているべきだろう。
西崎美紀に会えないのは、もはや仕方がない。
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