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雨が降り出した。
規則正しい雨音で、わたしは、だんだん落ち着きを取り戻しつつある。
・・・・・・お姉ちゃん・・・・・・
・・・・・・どうして?
窓の外を見る。
暗い。
見えるのは、ガラスをたたく雨粒と、涙のような水滴と、そして、私の顔。
・・・・・・お姉ちゃん・・・・・・
チャイムが鳴った。
これで、今週二度目。
不承不承、わたしは玄関へ向かう。
「どちら様ですか?」
わたしは、ドアを小さく開いて、言った。
「京都府警の弓村と言います」
中年の男が、警察手帳を見せながら言った。「今日の夕方、六条署の石山と言う刑事が、訪ねてきませんでしたか?」
「・・・・・・はい」
「何時頃ですか?」
「覚えていません」
「いつ頃、帰りました?」
「・・・・・・すぐです」
「すぐ? 来てすぐですか?」
「はい」
「用件は言いました?」
「・・・・・・姉に、用があると」
「お姉さんは、いらっしゃいますか?」
「・・・・・・いません」
「では帰宅されたら、六条署のほうへ連絡してください」
「・・・・・・分かりました」
「お願いします」
男は言い、踵を返した。
わたしはドアを閉める。
・・・・・・お姉ちゃん・・・・・・一体、どうするの・・・・・・?
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