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明星
暁に落ちたる明星は、宵に再び輝けり。
彼女は〝知恵の光を運ぶ者〟、光の天使。
賢く優しく愛らしく、人類の進歩を導かん。
其は悪役も演じたる、主の最愛の臣なれば……。
(解説)
本編の小説シリーズは、銀河系を統一した皇帝種族のため、
神や悪魔も演じつつ、人類などを支援した異星人達の物語です。
好戦的な種族間の抗争から崩壊した銀河帝国を、
平和的な種族達が協力して再統一し、繁栄に導きます。
絵本『泣いた赤鬼』や漫画『デビルマン』を読んで、
もっと幸せな結末も考えてあげたい、と思っていました。
その後、Youtubeのゲーム動画やアニメ、小説、音楽、
TV番組『古代の宇宙人』にも刺激されて、書いた小説です。
健気で可愛い彼女達に宇宙を救わせたくて、
〝文明の星〟理論という、文明論まで考えてしまいました。
特に今回の創作では、Youtube動画の、
『Where you are』『月下儚美』という動画を見て、
銀河帝国内戦初期における新帝国側種族の心情を
妄想しました(笑) 。
好戦的な側近種族間の内戦から皇帝種族を救おうとした
親衛軍種族バールゼブル。
全中央星域に広がる軍事・民生種族の混乱を鎮めようとした
正規軍種族アスタロト。
彼女達の副官を務めるアミーとヴォラクは双子種族で、
技術種族ストラスと超光速通信で心を結んでいます。
量子頭脳への人格転移で種族共有人格を形成できる彼女達は、
かつて自らを助けた種族への想いを抑えられませんでした 。
皇帝種族の母星破壊と帝国秩序の完全崩壊が判明するに及び、
バールゼブル、アスタロトとストラスに加えて、
産業種族及び銀河系外周星域の非酸素系種族を代表する
アスモデウスとベールは、ある決断をします。
先読み上手だがヘタレで扱いやすい……もとい(笑)、
賢明で心優しく高潔な文官種族である、
発展途上星域の文明開発長官だった
サタンを担いで……いや、中心に、
平和的民主国家への地ならし……というか、
偉大なる星間帝国の再建を図ることにしたのです 。
またそれは、こうした事態の発生を
想定……ではなく、危惧して、
サタンのもとへ大規模に避難……すなわち亡命していた、
皇帝種族内の良識的人格群が望むところでもありました。
宵の明星(金星)、あるいは月のように、
帝国の夜を優しく照らしたサタンの知恵の輝きもまた、
実は見えないところに隠れていた〝先帝〟種族の、
太陽のような情熱から力を得ていたのかもしれません。
奇想譚から文明論まで考えさせてくれる、
文化的作品に感謝します。
ご興味がおありの方は、
関連作品もご覧いただけましたら幸いです。
(補遺)
『……いやん! 私達の正体を見てやろうなんて、
光学迷彩解除装置とか使わないでくださいね。
可愛いって言ってくれる人もいますけど、
私達の種族サタンは猫と蝙蝠の合の子みたいな姿だし、
皆さんをお助けした時代に悪役を演じたりもしたので、
人によって好き嫌いがあるみたいなんです……』(笑)
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