悲鳴

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悲鳴

勢いよく廊下へ出てきたものの、どこへ行けば香がいるのかわからない。 もう1度電話をかけてみてもいいけれど、ちゃんと本人が出るかどうかもわからなかった。 「とにかく、1階へ行ってみよう」 あたしは自分を奮い立たせるためにそう呟き、階段へ向かって歩き出した。 さっき3階の放送室から2階へ降りてきて、そこまでに香の姿はなかった。 だからきっとまだ1階にいると思う。 目星をつけながら、念のために2階の教室の中を確認しながら歩く。 どの教室も血生臭く、血痕や死体がゴロゴロと転がっている状態だった。 通常通りの教室はひとつもなくて、教室本来の姿を忘れてしまいそうになるくらいだ。 そして階段を折り始めると、階段の下で動かない男子生徒の姿を見つけた。 あたしたちが最初に突き落とした生徒だ。 もう動かないとわかっていても、やはり慎重になる。 そろそろと近づいて行って彼の耳を確認した。 アザはまだ切り取られていない。 あたしはモップを壁に立てかけて、包丁を取り出した。 耳たぶを切り落とすのはこれで6人目だ。
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