悲鳴

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声はどんどん近くなっていく。 それは最初にあたしたち4人が逃げ込んだ教室内から聞こえてきていた。 あたしは閉じられたドアの前で一度立ち止まり、モップを握りなおした。 窓が割られているため、そこから中をのぞきこむ。 その瞬間、教室の中央で笑い転げている女子生徒の姿が見えた。 髪を振り乱し、手には血のついた包丁が握り締められている。 一見誰だかわからなかったけれど、それは香で間違いなさそうだった。 あたしはハッと息を飲んでドアから教室へと飛び込んだ。 「香!?」 声をかけた瞬間、足を止めていた。 教室内には複数の生徒が横倒しになり、血を流しているのだ。 香はその真ん中で笑い続けている。 「香、これってどういうこと?」 あたしが声をかけても反応しない。 すっかりおかしくなってしまっているのかもしれない。 あたしは倒れている生徒の1人を確認した。 耳にアザがある。 他の生徒も大半が殺人鬼だったみたいだけれど、中にはアザのない生徒も混ざっているのがわかった。 あたしは愕然として香を見つめた。 まさか、香が1人で全員を……?
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