悲鳴

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『2人が話してたのって昨日のテレビで紹介されてたキャラクターのことだよね?』 『そうだよ。猫のミーヤンってキャラクター。白倉さんも知ってる?』 『あたし、ミーヤンの大ファンなの!』 雪は目を輝かせてスマホ画面を見せてきた。 背景がミーヤンになっている。 『あ、このミーヤン可愛いね! ねぇ、香ちゃん?』 あたしが話題を振った瞬間香はハッとした表情を浮かべた。 頬が赤く染まり、高揚しているのが見て取れた。 『え、な、なんだっけ?』 慌てて話題についてくる。 その様子を見て、あぁ、香ちゃんは雪ちゃんに一目ぼれをしたんだと理解した。 それはごく自然な出来事だった。 ただ、性別が女同士ということだけで、あたしの中で違和感なく受け入れられたことだった。 「でも、雪は小村君のことが好きになっちゃったんだよね」 心の中で密かに香の恋を応援していたあたしは、ガッカリしたのを覚えている。 2人とも結局好きな相手に思いを伝えることはできなかったみたいだけれど。 「俺、全然気がつかなかった」 純也が空を見上げて呟く。
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