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泣き叫ぶ声に、あたしと純也はその場から動けなくなってしまった。
なにそれ。
意味ないってどういうこと?
現にあたしたちはアザを切り取ることで2人を正常に戻した。
そしてあたし自身も純也にアザを切り取ってもらった。
でも……。
「あれ、雪じゃないか!?」
女子生徒を襲っている中に雪の姿を見つけて純也が叫ぶ。
「なんで!?」
他にもアザが切り取られた生徒たちが混ざっているのがわかった。
どういうこと?
どうなってるの!?
混乱して事態についていくことができない。
だって、アザが出現している耳を切り取ればいいって、純也の両親は言ってたんだよね!?
その時、襲われていた女子生徒が抵抗するのをやめて、グッタリと倒れこんだ。
そこから1つの命が消えていくのを確かに感じる。
ターゲットが死んだことで殺人鬼たちはゆらちと立ち上がり、あたしと純也に視線を向けた。
まずい!
咄嗟に殺人鬼たちに背を向けて駆け出す。
「もう片方の耳にもアザが出てきてた!」
走りながら純也が叫ぶ。
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