57人が本棚に入れています
本棚に追加
/135ページ
騒然とするなかパトカーの音が聞こえてきて、理恵は連れて行かれてしまったようだ。
「どうしちゃったんだろうね、理恵」
雪が白い顔を青白くして呟く。
もう授業どころではなく、生徒たちはみんな教室で待機させられている状態だった。
警察は生徒からも事情を聞くためまだまだ残っていないといけなさそうな雰囲気があった。
「わかんない」
雪の隣で香が答えた。
香も、さすがに顔色が悪くなっている。
あたしも2人と同様に青ざめていることだろう。
最初の目撃者となってしまった幸子はさっきから机に突っ伏した状態で、軽く肩を震わせている。
相当衝撃を受けてりるのだろう。
他にも、教室内には泣いている生徒がいて、すすり泣きの声が聞こえてくる。
「いつまで教室待機なんだろうね」
いたたまれなくなってあたしは時計を確認した。
普段ならとっくに1時間目の授業が始まっている時間だ。
事件が起こってから30分くらいは経過していそうだ。
そう思ったときだった。
突然椅子が倒れる音が響いて、教室にいた全員がそちらへ視線を向けた。
最初のコメントを投稿しよう!