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この変に暮らしている人なら、たいていそのくらいの情報は知っていた。
「そうだよ。あの事件があってから、この町で16歳になる頃に星マークのアザが現れる子供が現れるようになったんだって!」
「なにそれ? そんな話聞いたことない」
「だろうね。ここからが都市伝説なんだから」
「で? そのアザってなんなの?」
「当時の殺人犯が生まれながらに持っていたアザと同じものなんだって」
「殺人犯と同じアザが現れるってこと?」
「うん。16歳になってそのアザが現れるとね、その子も同じ殺人犯になっちゃうんだって」
話を聞いているうちにお弁当お食べ終えたあたしは軽く身震いをした。
怖い話を聞いて少し体感温度が下がったみたいだ。
「あれ、遥もう食べちゃったの?」
そんな声がして顔を向けると、同じクラスの白倉雪(シラクラ ユキ)と今山香(イマヤマ カオリ)が立っていた。
2人とも食堂へ行っていたのだ。
「へへっ。お腹空いちゃったんだよね」
あたしはそう言って舌を出した。
「白状だなぁ」
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